いなぎ駅前クリニック

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消化器内科

Medical

MEDICAL主な症状

消化器内科では主に口から肛門までの消化管(食道・胃・小腸・大腸)や肝臓、胆のう、すい臓の病気を扱っています。これらの臓器に異常が起こるとさまざまな症状が出てきます。
次のような症状がある方はご相談ください。

  • 胃の痛み、胃のもたれ
  • 胸やけ
  • 呑酸、げっぷ、はきけ
  • お腹の張り、腹痛
  • 便秘、下痢
  • のどのつかえ、のどの違和感
  • 食欲の低下、体重減少
  • 黄疸(からだが黄色くなる)、おしっこの色が濃い
  • 黒い便が出る、便に血が混じっている

MEDICAL主な疾患

胃腸炎

胃腸炎…。下痢、嘔気・嘔吐、腹痛(胃が痛い)で受診すると医者もそんな診断名を告げますが、誤った病名と考えています。医学書で“胃の病気”の項を読んでも下痢を併発する胃の病気はありませんし、胃の病気で“吐く”ものは胃の出口の部分のところの大きなガンや、繰り返した十二指腸潰瘍で十二指腸の入り口が細くなってしまったときしかありません。
このような症状は単に“腸炎”。「胃が痛い」と感じるのは腸からの痛みを脳に伝える神経が胃袋の痛みを脳に伝える神経に入り込むからです。

つまり「胃が痛い」と感じても胃袋には胃炎すら起こっていません。ですから、どんなに高価な“胃の薬”を処方されても効きません。
また、“おなかの痛み止め”と“吐き気止め”をこのような症状の時にちょくちょく処方されますが、前者は腸の動きを止める薬、後者は腸の動きを活発にさせる薬です。作用機序が真逆の薬の同時内服です。変ですよね。腸炎では強い逆の蠕動が嘔気嘔吐の原因となることが多いので。蠕動を止めるくすり、イコールお腹の痛み止めが吐き気止めになります。

ガン

すべてのガンの初期は無症状です。症状が出たときは臓器の切除の他に抗がん剤や放射線治療を加えて治療せざるを得ない場合が多いのが現状です。消化器のガンも同じです。ですから無症状の時に診断するべきなのです。ただし残念ながら、無症状での発見であっても臓器を切らざるを得ない場合も少なくありません。
さて、現代医学の進歩で内視鏡治療で臓器を切らずにガンを根治できる時代にはなりました。しかしこのような治療ができるガンは消化管粘膜表面の“できて間もないガン”に限られます。実は、そんなガンがバリウム検査で発見されるのはまれです。内視鏡で治せるガンは内視鏡で発見を…。

ヘリコバクター・ピロリ菌

胃ガン発症の大きな原因です。理論的に、可能な限り若い時の除菌をお勧めいたします。さて、いるか?いないか?の診断ですが、いくつかの方法があります。
しかしいずれも100%の診断率ではなく97%程度と認識してください。すべての検査は「少なくとも6か月以内に内視鏡で胃炎の診断がなされているもの」において治療を含めて保険が適応されています。そうでない方は自費検査となります。一番楽な検査は検尿検査。自費で2000円ほど(といってもジョッキ3杯分はトホホ)です。除菌治療は3種の薬を1週間内服します。
まれに重大な副作用が出てしまう場合があります。また、胃潰瘍、十二指腸の再発原因です。

除菌成功すれば薬を飲まなくともほぼ再発しません。さて、除菌治療後にピロリ菌がいなくなったかどうかの検査ですが、当クリニックでは2か月後に行っています。その間の注意事項は内服終了後の来院時にご説明します。

逆流性食道炎

私も逆食持ちです。25年の罹患歴でございます。薬は常用していませんが、たまに胸焼けという典型的な症状が長引いたときに内服しています。
さて、逆食の症状で「酸っぱいものがこみあげてくる」というのがありますが、自分が逆食を発症するまで「食道に味覚センサーはないはずなのに何故酸っぱいと認識するのだ?」と疑問を抱いていました。そう思いませんか?

忘れもしない25年前。帰宅途中で感じた「胃、胃が…熱い!、黄色く熱い!」という症状。今は「食道が熱い」でいわゆる“胸焼け”を自覚しています。
一方「食道が冷たい」と言っていらした患者さんは2名。「食道が赤い」もいらっしゃいました。つまり、胃酸の下部食道への付着が粘膜を刺激し症状を起こすのが本態ですが、胃に近い食道であるため脳が臓器の認識を誤って食道ではなく「胃が」と判断、症状の質においては、刺激が脳のどこを刺激するかで表現される症状が異なる。
ですから「胃が熱い」だの「食道が冷たい」だの「胃が黄色い」だの「食道が赤い」だのと感じるわけです。

胃機能性失調症(機能性ディスペプシア)

現在、ほとんどの胃の症状を生き起こす原因は3つです。胃酸が関与、胃の動き、そして脳の知覚過敏です。これらが原因となる症状は、すぐに満腹感がでて食べたくなくなる、いつまでも食べたものが残っている、胃の痛み、なんとなく胃袋が気になるなどです。そういった症状で胃カメラなどの検査で異常がないものが胃機能性失調症(機能性ディスペプシア)です。
世界中の研究者が真剣に研究・検討している領域であるにもかかわらず、ネットで検索すると「自律神経失調症の一つでストレスが原因である」と断定するかのように書かれていています。確かに書かれていることに間違いはありませんが、実際は複数の因子が複雑にからんでいます。

ベタに「過労や寝不足、ストレスをためない生活習慣が重要です」で締めくくられていますが、では、仕事辞めろということですか?
それができないから医者のところに行かなければならないわけで、医者も真剣に考えましょう。

過敏性腸症候群

出勤前、出勤中や大事なプレゼンの前の下痢、腹痛、便秘などの症状が過敏性腸症候群です。旅行中の便秘もこの病気です。そんな症状をお持ちの方、ご安心ください。医者も同じです。学会場のトイレでは個室から出てきた先生が発表原稿を持っているなんてことは日常茶飯事ですから気楽に受診してください。
下痢型の人はよく「腸が弱い」と考えがちですが「弱い」はマイナー思考につながり、マイナス表現でストレスの原因となります。「弱い」でなくプラス思考で「腸が敏感なんだ」と考えましょう。ストレスが原因ですので先にお話しした胃機能性失調症と高率に合併します。

肝機能障害…?

誤解を招くこの病名。ほぼ99%の医者も検査のALT(GPT)AST(GOT)ことを肝機能と言っています。皆さんも肝機能が高い、とか言っていませんか?
ふつうは「機能が高い」という状態は「良い」ということですよね。にもかかわらず数字が高いと「機能障害」となってしまう、っておかしいと思いませんか? ALT、ASTというものは肝細胞の中に存在する酵素の名前です。これら数値は、肝細胞が壊れている程度を示しているだけで“肝臓の機能”と表しているものではありません。検診の項目で本当の肝機能を教えてくれるのは“コレステロール”です。総コレステロールの4/5、悪玉コレステロール=LDLコレステロールのほとんどが肝臓で合成されていますので、肝臓の機能そのものなんです。

非アルコール性脂肪性肝炎/脂肪肝

消化器病のメタボです。以前は脂肪肝の患者さんには大病になりますよという“医者のおどし”を言う医者は少数でしたが、十数年前からアルコールを飲まない人の脂肪肝も将来的に肝硬変・肝がんのリスクを確実に伴うということが明白になり、非アルコール性脂肪性肝炎という病名が一般的にも浸透しつつあります。
オーバーカロリーは食生活が大きな原因です。体重減量が基本中の基本の治療です。検診で肥満、肝機能障害を指摘されたら、まさか私も?と思って来院してください。脂肪肝の存在は超音波検査で分かります。

胆石症/胆石発作/胆嚢炎

胆石をお持ちでも石が悪さしなければ全くの無症状です。悪さした時の症状ですが、実は脳は胆のうという臓器を認識できないため「胆のうが痛い」とは自覚できません。胆のうは右の一番下の肋骨あたりにあるのでそのあたりに痛みを自覚…と思われがちですが、「胃が痛い」と感じる場合が非常に多いのです。しかも嘔気嘔吐を伴うことも多く、高齢の方は嘔吐だけが発作の症状だったということは珍しくありません。症状がでるタイミングは食後2~3時間が圧倒的に多いということがポイントです。

多くの方は胃が悪くなったと思うでしょうし、医者に「胃が痛くてもどしまして」というと「胃炎ですね」と胃の薬が処方されちゃったりしますが、“胃腸炎”のところで説明しましたが、胃の病気で吐く病気は限られていますので、超音波検査で胆石検査をするのが良いと思います。また、胆のう炎や胆管炎は特に高齢の方では重症化しやすいので、発熱を伴った「胃が痛くてもどしまして」は大変危険な症状です。

潰瘍性大腸炎/クローン病

潰瘍性大腸炎やクローン病という炎症性腸疾患があります。慢性疾患であり、重症化することもあり、生活に制限がかかってしまう状態になってしまうことがあります。近年患者数は増加の一途です。食生活の欧米化が大きな原因と言われています。慢性的な軟便、下痢があるとよく「胃腸が弱い」と判断されますがこの病気も同じ症状です。

大腸憩室炎

憩室は腸の壁面の一部が小さなこぶ状の部屋として外側に飛び出したもの。憩室があっても無症状ですが、腸内の細菌などで炎症をおこすと腹痛の原因となります。
炎症が悪化すると穿孔(穴が開くこと)し腸の内容物がおなかの中に漏れて緊急手術の適応となります。穿孔に至らなくとも腹痛は腹膜炎としての痛みです。歩いたり咳払いをしたりすると痛みが誘発・増悪するという性質をもった腹痛です。

急性虫垂炎(いわゆる盲腸炎)

盲腸盲腸と言われていますが正確には急性虫垂炎といいます。100年ほど前は死ぬ病気でした。今や研修医でも診断できるように診断法が確立しました。
しかし注意すべきは初期に「胃が痛い」と自覚することがあることです。「胃が痛い」と受診されますので、医者も胃のあたりの触診で終わってしまい見落とされることがあります。しかし、そんな初期では右の下腹を押しても痛みがない場合も多く悩み多き病気です。

胃潰瘍/十二指腸潰瘍

一般的に胃潰瘍、十二指腸潰瘍は慢性潰瘍に分類されます。潰瘍がある程度深い状態になって痛みという症状がでてきます。つまり無症状であっても潰瘍は存在するのです。
以前は、胃の中に胃酸があるから胃酸を抑える薬を飲み続けなければならなかったのですが、今は慢性化の原因はピロリ菌の持続感染であるということがわかり、除菌が成功するとほとんどの人で薬の必要がなくなるという時代になりました。