いなぎ駅前クリニック

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院長コラム

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COLUMN接触感染

接触感染

インフルエンザなどの気道感染症(いわゆる風邪)の感染経路は、
“接触感染” と “空気感染“が2大経路で、どの医学書にも記載されています。コロナウイルス感染症も気道感染症ですので同じ考えです。

4/12発表の東京都の感染状況では「感染経路不明が77%」と発表されています。そこでちょいと考えてみました。最近は「3密に注意」と連呼されていますので空気感染にばかり意識が行ってしまいがちです。 2大経路であるもう一つの“接触感染“を遮断しようとする意識が薄れていませんか?

接触感染への予防行為の1つが「手洗い」です。でも、どうして「手を洗え」なのでしょうか?

治療の最前線の映像を見ますと医療従事者はゴーグルをしています。これは「目からの侵入を防ぐため」です。涙は常に分泌され目の角膜を保護し鼻涙管を通って鼻奥に流出し鼻粘膜の保護と鼻腔の冷却を担っています。すなわち目に入ったウイルスが鼻腔粘膜から咽頭粘膜に到達する(すなわち感染成立)のを防ぐためにゴーグルをつけているのです。

ドアノブ、エレベーターや自動ドアなどの押しボタンなどの不特定多数の人が触った場所には病原体が付着しています。それは紙幣やコインも同じです。その病原体だらけの手で“目を擦る”“鼻ホジる”“素手で食べる”したら感染してしまうから「手を洗え」なのです。しか~し、手を洗った後であっても触れば病原体はアナタの手に付着しているわけで、その手で“目を擦る”“鼻ホジる”“素手で食べる”したら「その手洗いは全く意味のない行為」となってしまうのです。

手洗い

こういった感染経路の説明がないまま単に「手を洗え」と言われ、さらに「3密に注意」で予防意識をまぎらわされてしまって「俺、3密してね~し!」ってあちらこちら触った手で鼻ホジってたら、感染経路不明が77%になるのは必然か?

こんな説明を患者さんにお話しして納得していただき、最後に「手を洗っていようがいまいが自分の手にウンコがついていると思っていれば、目や鼻を触ったり素手で食べたりしませんよね。これすなわち感染予防意識。」と笑っていただいています。 

だから小池さんも安倍さんも言えばいいのに…「3密に注意! でもアナタの手にはウンコが…」って。