内視鏡検査について
Medical
Medical
皆さん、暗い物置の中で探し物をする時の懐中電灯はどのようなものが良いでしょうか?
明るく奥まで広く照らしてくれるものが良いですよね。胃の中を見るのも同じです。最近は経鼻内視鏡を用いる施設が増えましたが、早期胃がんの治療を行っていた私にとって、微細な胃がんを見つけるための「よく見える」経鼻内視鏡が今のところ見当たりませんので、当クリニックでは経口内視鏡を用いています。
経口内視鏡の欠点は「オエッ」となりやすいことです。オエオエが検査中ずっと続き、涙ポロポロ、検査中から検査後もノドが痛いと経験された方は多いと思います。これは雑な操作と不適切な角度での食道通過が原因です。私は内視鏡治療が専門でしたが、1回でもオエッとさせてしまうと内視鏡治療に支障をきたすことが多いので、私は「患者さんがつらくない内視鏡操作」を30年間心がけてきました。前職の志村クリニックでの相模原市の胃がん検診での内視鏡検査時は喉の麻酔のみで行っていましたが、いつ入ったか判からなかったとおっしゃってくれた患者さんもいます。
検査中は患者さんの目の前にTVモニターを設置していますので、「自分の胃の中を初めて見た!腹黒くなかった。よかった!」とお帰りになった方もいらっしゃいました。
医学の進歩で食道がん、胃がんや大腸がんは臓器を切らずに腸の表面の粘膜だけを剥がして切除する治療法で治せる時代になっています。しかし、粘膜表層だけにガンがとどまる状態でないと“完全”に治せません。つまり、できたてのガン、すなわち超早期がんを見つけることが大事なのです。
実はバリウムの検査では超早期がんは見つけられません。たとえ早期がんを見つけたとしても臓器を切除しなければ治せない状態の早期がんです。臓器を切らずに内視鏡だけで完全に治せる超早期がんは、内視鏡でしか見つけられないのです。ですから先に申し上げましたように「よく見える」ことを重要視して経口内視鏡を用いています。
「眠っているうちに検査が終わった」という患者さんにとって楽な検査を行う場合、強い鎮静をかけて「寝ていただく」ので検査中にトラブルが起こっても気づかない場合も想定されますので、当クリニックでは「なーんかフワっとする」程度の軽い鎮静を基本として、適切な角度での挿入とジェントルな操作で「患者さんにつらくない内視鏡」をしております。もちろん「眠っているうちに」をご希望の方には「眠っていただき」ます。